(21) 人を恐れるとわなにかかる。しかし主に信頼する者は守られる。

ある親子がロバを連れて旅をしていました。すると通りがかりの人が言いました。「何てもったいない!せっかくロバを連れているのに、誰も乗っていないなんて。」父親は「それもそうだ」と思い、息子を乗せて旅を続けました。すると別の通りがかりの人が言いました。「何て息子だ。自分1人ロバに乗って、父親を歩かせておくなんて。」息子は恥ずかしくなり、自分は降りて、代わりに父親をロバに乗せました。しばらくすると、また別の通りがかりの人が言いました。「何て父親だ。自分1人ロバに乗って、息子を歩かせておくなんて。」今度は父親が恥ずかしくなり、相談の結果、2人ともロバに乗ることにしました。すると今度は、別の通りがかりの人が言いました。「まあ、何てこと!あんなひ弱なロバに、人が2人も乗っているなんて!」親子は途方に暮れてしまって、とうとう終いには2人でロバをかついで旅を続けたそうです! 果たして私たちは「バカな親子だ」と笑えるでしょうか?私たちは皆、多かれ少なかれ「他人の視線や言葉を恐れる性質」をもっています。もちろん、周囲の人々に気を配ることは大切ですが、それに振り回されて自分を見失ってしまうのは愚かなことです。 真に周囲の人々に気を配り、必要な助けを与えることのできる人、それは「人の目を恐れず、日々自分のありのままを受け入れてくださっている神の愛を、心の拠り所として抱いている人」なのです。