(361) “怠け者の心は欲を起こしても何も得ない。勤勉な者の心は豊かに満たされる。”

 働くことに疲れたある人が、心の中でつぶやきました。「もし宝くじが当たって1億円もらえたら、もうこんな風に毎日苦労して仕事をしなくても済むのになぁ…」  その夜彼は面白い夢を見ました。何とそれは宝くじで1億円を当てた夢だったのです。その夢の中で彼は翌朝ベッドから跳ね起きると、興奮冷めやらぬ気持ちのまま、いつものようにシャワーに向かいました。ところが何とシャワーのお湯が出てこないのです。仕方なくシャワーせずに朝食を食べようとキッチンに向かい、コーヒーを沸かそうとすると、何とコーヒーメーカーが作動しません。一体どうしたことなんだ?と思いつつトーストを焼こうとすると、何とトースターも動きません。少々イラつきながら郵便受けに新聞を取りに行ってみると、新聞も来ていないのです。何が何だか分からない気持ちで、ともかく職場に向かおうといつものバス停に行ってバスを待っていると、待てど暮らせどバスが来ないのです!すっかり途方に暮れてしまった彼は、通りがかりの人に尋ねました。「すみません、1つお尋ねしますが、朝からどうも生活がうまく行かないのですが、何かあったのでしょうか?」 するとその人は答えました。「あぁ、ご存知なかったのですか?昨日、国民全部が1億円を当てたので、今日から誰も働いていないんですよ。」  その瞬間、彼は目を覚ましました。何とそれらはすべて『夢』だったのです。それに気付いた彼は思わず大声で叫びました。「神様、1億円当たったことが夢であったことを感謝します!」 そして彼はベッドから跳ね起きると、今までで1番幸せなシャワーを浴び、今までで最高に美味しいコーヒーを入れ、かつて食べたこともないほど上手に焼けたトーストと一緒に、驚くほど素晴らしい新聞を読みながらいただき、最高のドライバーが運転する最高のバスに乗って、踊るような気持ちで人生最高の仕事をするために職場へと向かいました。  誰にでも「いつもの仕事をいつものようにこなすこと」に疲れてしまうことがあると思います。でもそんな時にはぜひ思い描いてみてください。そんなアナタの『何気ない営み』によって保たれている「何気ない日常の祝福」を味わっている人たちがきっといるのだ、ということを。神様は何も『特別なこと』のためだけにおられるのではないのです。