(522) “主に信頼し、善を行え。地に住み、誠実を養え。”

 聖書には、神がいかに『誠実な』存在であるかを多く語っています。そして私たちが神様のその『誠実さ』に倣うことが期待されていることも。では、『誠実さ』とは一体どんなものなのでしょう?  『誠実さ』とは、言ってみれば「どんな時でも100%の最善を尽くす態度」です。カナダのあるコミュニケーションに関する統計によると、仮に「99.9%の誠実さ」で物事が勧められた場合、年末の「所得税の戻り金」の計算は10万人分以上が誤って計算され、1時間の間に2万件以上の小切手が誤った口座から引き落とされ、毎日12人の新生児が誤った親に引き渡され、5機以上の飛行機が毎日着陸に失敗し、1時間のうちに2万通の手紙が誤った宛て先に送られ、100万件のクレジットカードの支払いが誤った所有者に請求され、年に2万件以上の誤った薬品が処方されるそうです。  これらは数年前の統計なので、恐らく今日ではこれ以上の頻度になることでしょう。つまりこれらから分かることは、100%の誠実さだけが「真の誠実さ」だということです。そして神はこの100%の誠実さをもって日々私たちに関わってくださっているのです。このお方の『誠実さ』に倣って、今日1日も心を尽くして神と人とに仕えましょう!

2023年2月26日 「完全な救いの創始者・イエス」

礼拝全体の様子をYouTubeで観る 説教あらすじ   「完全な救いの創始者・イエス」   (26/02/2023) [へブル人への手紙 2章10~18節] ◆救いの完成者・イエス (10~15節)   ・[10~12節] 神の意図は、御子を『救いの完成者』とすること。これには、①人々の救い と ②イエスの栄光の両方が含まれる。そのために神は、イエスを「人間と同じような存在(人々の中の長子)」とされた。   ・[14~15節] イエスは「道であり、真理であり、いのち」、すなわち救いに至る『道』であり、その道をどうやって辿るかを教える『道しるべ(真理)』であり、その道を共に歩む力を与えてくださる『同伴者(いのち)』でもある。   ・「悪魔をご自分の死によって『滅ぼした』」とは、私たちの罪のための『身代わりの死』によって、私たちを『罪の奴隷』として縛っていた悪魔の力が「無力化された」ということ。 ◆完全な大祭司・イエス (17~18節)   ・『祭司』とは、「罪の故に神に近づくことを妨げられている人々のための仲介者」。イエスは「罪ある不完全な祭司」ではなく、「神に対しても人々に対しても『完全で忠実な大祭司』となられた。彼は「すべての点で兄弟たちと同じように」なられた故に、私たちの『弱さ』に同情することができ、また「最後まで御父に忠実に歩まれた」ゆえに、神の全能の力によってよみがえらされ、『神の右の座に着く』という栄光が与えられた。 ✰今週のチャレンジ: あなたはこの「救いの素晴らしさ」を存分に味わっていますか? ◎更に深い学びのために  ①イエスはどのような点で『救いの完成者である』と言えるのでしょうか?  ②イエスはどのような点で『完全な大祭司である』と言えるのでしょうか?  ③今日の箇所を通して、神が御子を「人として地上に遣わされた」ことに、どんな意味(理由)を見出せますか? Outline of the sermon    “Jesus – perfect founder of Salvation.”   (26/02/2023) [Hebrews 2: 10~18] ◆Jesus – perfector of Salvation. (Verses 10~15)   ・God designated Jesus as “the perfector of Read more…

(521) “神の恵みによって、私は今の私になりました。”

 「自分のことをどう思っているか」(一般に『セルフイメージ』と呼ばれますが…)は、私たちの人生に大きな影響を与えます。イエス・キリストを通して「神との関係に生きる人生」へと招き入れられるまでは、私たちのセルフイメージはそれまでに私たちの周囲を取り巻いていた『権威ある存在』、例えば「両親」「先生」「職場の上司」「信頼している先輩や友だち」から聞かされた意見や評価に大きな影響を受けています。それらの中には「正しいもの」や「私たちを支えてくれる言葉」もありますが、残念ながら「私たちの心に痛みや深い爪痕を残しているもの」も多く含まれています。そしてそれらはしばしば『イエス・キリストにある救い』を受け取った後でさえ、私たちの足を引っ張ることがあります。  では、どうすれば良いのでしょう?私たちは『自分に対する神の評価』を日々心に受け取ることによって、それらから解放されることができます。具体的には「祈りと聖書のことば」を通して心を神へと向けるのです。まず次のように祈りましょう。  「神様、私は『この世のもの』ではなく、あなたによって造られ、愛されている『神のもの(神の子供)』であることを、今日も宣言します。私は『この世の声』ではなく、『あなたからの声』にこそ耳を傾けます!」  そのように祈った後で、日々聖書の言葉を通して、①神があなたの存在を喜んでおられること ②神があなたの人生に素晴らしい計画を持っておられること を確認しましょう。  イエス・キリストがこの世に来られた後、世界に最大のインパクトを与えた人物の1人に『使徒パウロ』がいます。彼は初めは「キリスト教徒を迫害し、敵対する者」であり、信者を殺すことさえしていました。ところがイエス・キリストを通して神との関係に歩むようになって以来、彼は全く別人のように変えられ、神と人とを愛し、神の救いを世界中に宣べ伝える者とされたのです。冒頭に挙げた聖書のことばは、晩年に彼が告白したことばです。神はあなたの人生をも同じように180度造り変えることができるのです。

2023年2月19日 「神の前に分をわきまえる」

礼拝全体の様子をYouTubeで観る 説教あらすじ   「神の前に分をわきまえる」   (19/02/2023) [へブル人への手紙 2章1~9節] ◆『救い』の性質 (1~4節)   ・『聞く』という行為は、人生において重要な位置を占める。ましてや「神が語られる」時、そのことばにどれほど真剣に耳を傾けるべきであろうか?神との関係が「馴れ合い」になってしまってはいないか?   ・「旧約聖書において神が御使いや預言者たちを通して語られた律法や教え」が「従うべきものとして命じられ   た」という性質を持つのに対し、「神が御子を通して世に示された『救いのことば』」は『招き』として私たちの前に提示されている。但しそれは決して「ないがしろにしてもよい」といった性質のものではない! ◆御子イエスによる統治 (4~9節)   ・「来たるべき世」とは、御子イエスが「神との関係を遮断していた私たちの罪」を身代わりに負われたことによって回復された『新しい世界秩序』、すなわち「イエスを王とする世界」のこと。詩篇8章の引用はピリピ2章のくだりを思い起こさせる。[ピリピ2:6-9] 御子がこれほどまで己れを低くされたので、御父は彼を高く上げられた。   ・御子がここまで御父に従ったのは、御父の「人々に対する心」を知っていたから。私たちも己れの無知を認め、『御父の心』を求め、へりくだって人々に仕えるなら、イエス同様「ちょうど良い時に」高くされる。[Ⅰペテロ5:6] ✰今週のチャレンジ: あなたは「神」を本当に自分の『神』として生きていますか? ◎更に深い学びのために  ①『御父との親しい関係』が、「御父の心の故に支払われた信じがたい犠牲」の上に成り立っていることを思い巡らしましょう。  ②御子を通して私たちに向けられている『招き』に対するふさわしい応答とは、どのようなものですか?  ③御子はどのように「高く上げられた」のですか? また私たちはどのようにして「高く上げられる」のでしょう? Outline of the sermon    “Know how undeserved we are.”   (19/02/2023) [Hebrews 2: 1~9] ◆How big “salvation” we have?! (Verses1~4)   ・“Listening” is a very important skill for our lives.  Then how Read more…

(520) “世にあっては苦難があります。しかし、勇気を出しなさい。わたし(キリスト)はすでに世に勝ちました。”

 私たちは、自分に都合が悪いことが起こったり、負いきれない重荷を負わされそうになった時、つい「誰かのせい」にしたくなるものです。親のせい、子供のせい、先生のせい、友だちのせい、社会のせい、などなど。けれどもそんなことをしても問題が解決しないのは明らかですよね。  第2次大戦のさなか、ビクター・フランクルはナチスの強制収容所に入れられました。収容所の職員たちは彼から文字通り『すべて』を取り上げました。妻や子供たち、衣服を含むすべての所有物、そして結婚指輪さえも取り上げられたうえで、すべての自由を奪われて拘束されました。しかし「たった1つだけ」決して取り上げられずに済んだものがあったのです。彼は手記の中で「それらすべての悲惨な状況の中にあっても『自分の態度』を自分で選ぶことのできる自由だけは決して奪われることがなかった」と書いています。  私たちには「明日何が起こるか」さえも分かりません。というか「今日これからどんなことが起こるか」も分かりませんよね?私たちは自分を取り巻く環境をコントロールすることはできませんが、それらの環境に対して「どんな態度で」対応するかは選ぶことができます。その環境に打ちのめされるか、それとも成長の糧とするか。恐れに押しつぶされるか、それとも更に深く神に頼ろうとするか。『創造主である神』という方を個人的に知るようになると、自分の身の上に起こる出来事すべてが「このことが起こるのを神は許されたのだから、必ず背後に良いご計画があるはず」ということが信じられるのです。

2023年2月12日 「神の御使いとは?」

礼拝全体の様子をYouTubeで観る 説教あらすじ      「神の御使いとは?」      (12/02/2023) ◆神の御使いとは?   ・『御使い』の原語の意味は、ヘブル語でもギリシャ語でも「メッセンジャー」、すなわち「人々に『神の御告げ』を伝える存在」。『御使い』は「神に仕える超自然的な存在」であり、性別・結婚関係などはない。[マタイ22:30]   ・『御使い』は人間に優った存在(Ⅱペテロ2:11)だが、私たち同様に『自由意志』を持ち、彼らの1部は神に反逆したことによってさばかれ、「堕天使(悪霊)」となって今も悪さを続けている。彼らに悔い改めの機会が与えられていないのは、私たちと違って「神の国の真理」をよく知っていたにも関わらず、神に反逆したからに違いない。 ◆御子イエスは、御使いに優っている [へブル人への手紙1章4~14節]   ・この段落には多くの旧約聖書(主に詩篇)が引用され、御子イエスが御使いに優っていることが示されている。中には難解な箇所もあるが、[13節]などは主イエスがご自身の「メシア性」を裏付けるものとして引用した箇所であり、『へブル人への手紙』の宛先であった「ユダヤ人たち」にとっては、これらの引用から「イエスは確かに   『神の御子』であり、『御使い』とは決定的に異なるはるかに優れた存在なのだ」ということを確認できたはず。   ・「御使いについて学ぶこと」はそこまで重要ではないかもしれないが、「御使いの存在」を通して私たちは、神の私たち人間に対する深い関心を再認識することができる。[14節,ルカ15:10] ✰今週のチャレンジ: あなたのために『御使い』をも遣わされる神をどう思いますか? ◎更に深い学びのために  ①今まで『御使い』とはどのような存在だと思っていましたか? 今回の学びを通してそれが何か変化しましたか?  ②もしユダヤ人たちが「イエスは御使いと同じような存在」と思っていたとしたら、それはどうしてだと思いますか?  ③「御使いとの遭遇体験」を誰かから聞いたり、自分が体験したりしたことがあるなら、分かち合いましょう。 Outline of the sermon       “The angels of God.”      (12/02/2023) ◆What is “the angels of God”?   ・They are “messengers” sent from God to serve among us.  They are spiritual creatures superior to human     Read more…

(519) “こういうわけで、あなたがたは、もはや他国人でも寄留者でもなく、…神の家族なのです。”

 1月20~22日の週末に「ニュージーランド在住日本人クリスチャンの集い」が行われました。ニュージーランド全国各地から100名弱の日本人クリスチャンたちが集い、実に圧巻でした。中には「自分が住む都市や町でたった1人の日本人クリスチャン」という方々もおられ、一緒に『日本語で』聖書を読んだり、『日本語で』神様を賛美したり、『日本語で』聖書のメッセージを聴いたり、『日本語で』一緒にお祈りしたりするだけで、胸がいっぱいになって涙にむせぶ場面が多々ありました。初めて会った同士がたくさんいたにも関わらず、あたかも「旧知の友」であるかのように深い心の思いを分かち合う姿は、見ていてとても心を打つものでした。  日本語には「遠くの親戚よりも近くの他人」という言い回しがあります。確かにイザという時、「血はつながっていても、普段全く付き合いのない親戚」よりも、「たとえ血のつながりはなくても、普段から付き合いのある他人」の方が頼りになることが多いでしょう。しかし聖書には『神の家族』という表現が何度か出てきます。これは「血のつながり」こそありませんが、「創造主である神」を共通の『父』とする「霊のつながりを持った家族」という意味合いがあり、たとえ初めてあったばかり同士(時には「会ったこともない同士」)であっても、お互いにことばには表せない『親しさ』を感じることができるのです。  今回の集いでは「同じ日本人同士」ということもあり、そこには特別な『仲間意識』があったと思いますが、私たち家族は今までに様々な国々で「他国人同士であっても家族のような親しさ」というものを体験したことがあります。肌の色も、話す言葉も文化も違う者同士なのに、「同じ『父なる神』に愛されている存在」というつながりが、私たちを引き寄せてくれたのです。  「唯一の創造主である神を信じて生きる」って、本当に素晴らしいことなんです!

2023年2月5日 「神はご自身を現される」

礼拝全体の様子をYouTubeで観る 説教あらすじ    「神はご自身を現される」    (05/02/2023) ◆神は語られる [へブル人への手紙1章1~2節前半]   ・旧約聖書の時代、神は預言者たちを通して「多くの部分に分け、多くの方法で」語られたが、『終わりの時』には御子を通していわば全てを語られた。語られた内容は、旧約聖書の時代は基本的に『約束(「やがてその日が来   る」というような)』であり、それらすべてが御子イエス・キリストによって成就した。[マタイ13:17]   ・神が『語られる』のは、主に「ご自分が何者であるか」を知らせるため。それ故、私たちが神に向かって「お語りください」と祈る時は、単に「導きが欲しい」「御声が聞きたい」という『自分の願い』のためではなく、「神にご自身を啓示する機会を与えている」ということを理解しておくべき。[ヨハネ1:1-3] ◆御子イエスこそ、神の本質の完全な現れである [へブル人への手紙1章2節後半~4節]   ・イエスは『生ける神のことば』として「神ご自身の現れ」としての人生を生きられ、その上で弟子たちを聖霊によって遣わされた。[ヨハネ20:21-22] そして今日イエスは「父なる神の右の座」に着かれ、祭司として私たちのためにとりなしてくださっている。   ・イエスが御父から片時も離れることなく『父のみわざ』を行われたように、私たちも聖霊によって片時も御子から離れることなく『御父の栄光』を現す人生を辿って行こう![ヨハネ15:5, 8] ✰今週のチャレンジ: この世にあって『神の栄光の現れ』として歩みたいですか? ◎更に深い学びのために  ①旧約聖書の時代から今日に至るまで、神は「どのようなこと」を、「どのような方法」で人々に語っていますか?  ②どのような点で、「御子イエスは『神の本質の完全な現れ』である」と言えるのでしょうか?  ③現代に生きる私たちに、御父はどのようなことを期待しておられますか? そのためにできることは何でしょう? Outline of the sermon       “God reveals Himself.”      (05/02/2023) ◆God speaks [Hebrews 1:1-2a]   ・All through Old Testament period God spoke to people through His prophets by pieces.  But at last days He Read more…

(518) “すべての理解を超えた神の平安が、あなたがたの心と思いを守ってくれます。”

 年を重ね、様々な責任を負うようになるにつれて、『大きな決断』を迫られる機会が増えてきます。しかもそれらの決断を「できるだけ早く」しなければならないようなプレッシャーを感じることが多いのではないでしょうか。そのような時にぜひとも気を付けなければならないのが、「疲れていたり、体調が悪い時には、重大な決断は下さない」ということです。  「そんなことを言っても、タイムリミットが迫っているんだから…」とおっしゃるかもしれませんが、冷静に考えてみてください。急いで誤った決断をし、その後始末に追われるのと、多少決断が遅れて責められたとしても正しい決断をするのとでは、どちらが優っているでしょう?当然後者ですよね?そのためには自分が今どのような体調や精神状態でいるかをしっかりと見極め、休息の時間を取り、神の前に静まる時を持つべきです。  現代の『疲れ』というのは、単に休息を取れば癒される「肉体的な疲れ」よりも、「考えなければならないことに追い立てられる『精神的な疲れ』」の方が多いと思います。『神への信頼』とは、「神は良い方で、私のために良い計画を持っておられ、私が自分自身よりもむしろ彼に頼るなら、最も良い道へと導いてくださる」と信じて、自分自身を委ねることです。「自分で何とかしなければ」という風に固く握ってしまっている手を放して、全能の神の御手に自分自身を委ねるならば、深い安息を体験できるだけでなく、正しい決断へも導かれることをきっと経験できるはずです。