『意思疎通』というものは、簡単なようで難しいものです。「全然そんなつもりはなかったのに…」というような誤解を経験したことはありませんか?日本人同士でも起こり得るのですから、外国に住んでいる私たちは尚更です。また通常は身振り手振りや相手の表情などが正確な理解の助けになりますが、最近ではSNSが頻繁に用いられるため、『ことば』だけが独り走りして要らぬ誤解が生まれることも度々です。

 『ことば』というものには、「ことばそのもの」以外に「語り手の意図」が含まれており、その『意図』を正しく解釈する(汲み取る)ことなしに「ことばそのもの」だけを理解するだけでは、正確な『意思疎通』ができません。『ことば』はあくまで媒体であり、大切なのはそれを発信する側と受信する側の『相互理解』です。どんなに親しい間柄でも「正しい意思疎通」がなければ、つまらない誤解が生じる危険性があります。

 それではどのようにして、そのような「不必要な誤解」を防ぐことができるでしょう?

 第1に、「自分の解釈と『受信したことばそのもの』とをはっきりと分けて考えること」です。どこまでが「相手が実際に言った(書いた)こと、または自分が聞いた(読んだ)こと」だったのかを正確に確かめ、その内容を客観的に理解し直すのです。可能であれば誰か別の人に読んでもらい、意見を聞いてみるのも良いかもしれません。

 もう1つは、「直接相手に『その言葉の意図』を尋ねてみること」です。すると思った以上に「自分が考えてもみなかった意図」に出くわすことがあります。『先入観』というものは怖いもので、相手がことばを発する前に、私たちの内側に「受信を歪めるフィルター」を付けてしまうのです。受信は極力「ニュートラルな心」で行うことが重要です。

 『ことば』というものは、コミュニケーションのためにとても大切なツールですが、それによって人間関係を豊かにすることも破壊することもできる、いわば「両刃の剣」です。不用意にではなく、注意深く心を込めて、正しいルールで使うようにしましょう。

Categories: 聖書

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