
私の住むクライストチャーチは、現在「建築ブーム」です。我が家から歩いて10分の範囲で少なくとも5件以上の家(というか集合住宅)が建築中です。恐らくこの数年間で数千世帯分の建物が建てられたのではないかと思われます。
私は毎朝犬の散歩をするので、これらの「建築現場」を毎日目撃します。そして1つ分かったことは、大工さんたちは『土台』を据えるのに大変長い期間と労力を費やすということです。この時期は現場の前を通ってもちっとも変化がなく、「本当に工事が進んでるのかな?」と疑いを持ちそうになってしまいます。
ところがこの『土台』が完成すると、建築作業は目に見えてはかどって行き、みるみるうちに立派な建物が出来上がって行くのです。この時期は現場の前を通るのが楽しみになります。日々工事が進んでいるのを確認できるからです。しかしこの「目に見えた作業の進展」は、その前の「土台を据える」という時間のかかる地道な作業があったからこそ実現するわけです。
現代に生きる私たちは、「見える形で物事がドンドン進んで行くこと」を強く求めるがあまり、「土台を据える作業」をおろそかにしてしまう傾向があるのではないでしょうか?『インスタント』という言葉は50年前には知られていなかったと思いますが、今では至る所で使われています。「より早く、より効率的に、より便利に」が求められている中で、「じっくりと時間をかけて頑丈な土台を据える」という行程はモタモタしているようで人気がありません。しかし「より丈夫で長持ちするもの」を生み出すには、時間や手間ひまがかかるものなのです。
この全世界・全宇宙を創造され、その創造物の中の「最高傑作である私たち人間」を深く愛し慈しんでおられる『神』を正しく知り、恐れること、これは正に私たちの『人生の土台』と言えるのではないでしょうか?「神様なんて目に見えないし、よく分からないから必要ない。もっと分かりやすくて手っ取り早いものが欲しい!」と、目先の便利品やSNSなどで得た情報で日々の生活をとりあえず凌いでいくこともできるでしょう。でもそんな風にして建て上げた人生は決して長続きせず、困難に遭遇した時に簡単に崩されてしまいます。そうではなく、創造主なる神を知り、このお方との関係の中で生き始める時、私たちは変わることのない平安や希望そして強い確信をもって、堅固な土台の上に人生を建て上げて行くことができるようになるのです。
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