(364) “怒りを遅くする者には豊かな英知がある。気の短い者は愚かさを増す。”

 2017年に行われたある調査によると、殺人の動機の半数以上が『怒り』によるものだそうです。まあ確かにそうかもしれませんが、もっと危険なのは『怒り』は他の人を殺す原因になるだけでなく、怒っている人自身の命をも蝕んでいるということです。統計によると「敵意や怒り」というものは、心臓疾患の原因の中では最たるもので、継続的に怒りを抱き続けている人は通常の人の5倍の確率で心臓の動脈に支障をきたし、怒りによる心臓発作で死ぬ可能性が非常に高くなるそうです。  では、単に「怒らなければ良い」ということなのでしょうか?決してそういうわけではありません。『怒り』というものは、神から与えられた感情であり、実際に神様ご自身もお怒りになることがあります。(この世に蔓延する『悪』に対してとか…)問題は、その『怒り』を適切に制御できないことにあります。『怒り』はある意味「川の流れ」のようなものです。正しく操作されれば、町中に必要な「電力」を供給することができます。しかし、制御されていない『怒り』は「川の氾濫」のように町を破壊してしまいます。  「でも『怒り』というものはそんなに簡単に制御できるものではないのでは?」と思いますか?ならばちょっと想像してみてください。あなたが「夫婦喧嘩」または「親子喧嘩」真っ最中だとします。そんな時突然電話がなりました。あなたは『一時休戦』して受話器を取り、いかにも何事も無かったかのように平静を装って、「はいは~い、何かご用ですかぁ?」と応対することでしょう。そうです。『怒り』というものは、本人さえその気があるならば制御可能なのです。  「自分の置かれている状況」というものを落ち着いて観察することを心がけるなら、不必要な『怒り』に振り回されずに事を解決することができます。もし「自分は短気で、すぐ怒る傾向がある」と思う人には、良いアドバイスがあります。今度「ムカっ」とした時は、言葉を発する前に10秒数えてみてください。そしてもし「メチャクチャ頭に来た時」には、まず100を数えて、そのままその場を立ち去りましょう!