(549) “わたしたちは愛しています。神がまず私たちを愛してくださったからです。”

 英語で『Pay back』と言えば「仕返しをする」という意味ですが、では『Pay forward』という物語をご存知でしょうか?これは実話に基づく物語で、言葉の意味合いとすれば「誰かから親切にされたことを、その相手ではなく、他の誰かにしてあげる」といったところでしょうか?  実はこのアイディアは、アメリカのある小学校の社会の授業で先生が「世界中の人たちが幸せになれるようにするために、あなたに何ができると思いますか?」という質問をしたことから始まったのです。1人の男子生徒がこの質問を宿題として家に持ち帰り、真剣に考え抜いた末に、翌日の授業でこの『Pay forward』のアイディアを発表したのです。そしてこの『Pay forward』は、後にアメリカで一大ブームを巻き起こします。(残念ながらしばらくした後に下火になってしまったようですが…)  この『Pay forward』は非常に素晴らしいアイディアなのですが、1つの難点があります。それは、人間は基本的に『自己中心的』なので、なかなか「自分から始めよう!」という力が湧いてこない、ということです。「他の誰かのために何かしてあげたい」という力は、まず「自分がそのようにされた」という経験から発生してくるものなのです。  実は、クリスチャンたちの日々の歩みはここから出ています。私たちをこよなく愛してくださっている『唯一真の神』が、その深い愛の故に、私たちとご自身の和解の使者としての御子イエス・キリストを『人』としてこの世に遣わされ、私たちの罪の身代わりに十字架の上で死なれたことによって、その愛を明らかにされた。クリスチャンたちは皆、この「現された神の愛」を受け取って、それを『Pay forward』しようとしているのです。  誰でも、「愛するために、まず愛されること」が必要です。そして聖書は私たちに「神がまず私たちを愛してくださっている」ということを知らせてくれているのです。