(168) “夫は自分の妻を自分と同様に愛しなさい。妻もまた自分の夫を敬いなさい。”

インドに『タージマハル廟』という大変優れた歴史的建築物があります。これはインドのある王様が、愛する妻のために建てた『お墓』なのですが、その建設にまつわるこんなお話しがあります。 インドの王『シャー・ジャハン』は、その最愛の妻を失った時、彼女への思いを何とか形にして遺しておきたいと思い、彼女のために壮大なお墓を建てようと決意しました。王は妻の遺体をお棺に納め、広大な土地の真ん中に置き、そのお棺を中心にして大工事が始まりました。ところがこの大工事が進むにつれて、王の心は「妻を偲ぶ思い」から徐々に「この大プロジェクトを完成させること」へと夢中になっていきました。そして何年かが過ぎたある日のこと、王はこの工事現場を視察している最中に、1つの木箱につまずいて転んでしまいました。王は怒りに燃えて「誰だ!こんなところに邪魔な木箱を置いた奴は!さっさとどこか邪魔にならないところへどかして来い!」と怒鳴りました。この木箱が『最愛の妻の納められているお棺』だったことに王が気が付いたのは、何ヶ月間も後になってからだった、ということです。 どんな夫婦でも、最初は深く愛し合って結婚したことでしょう。しかし長い結婚生活の間に、それぞれの『大プロジェクト』(それは「子育て」だったり、「仕事」だったり、「マイホームプラン」だったりするかもしれませんが…)に熱中するがあまり、本来の目的 『結婚相手のことを最高に幸せにすること』 を見失ってしまっているかもしれません。 ぜひ今日もう1度あなたの妻または夫にこう尋ねてみてください。「あなたを最高に幸福にするために、私にして欲しいことは何ですか?」