(572) “子供たちを苛立たせてはいけません。その子たちが意欲を失わないようにするためです。”

 聖書は実に多くの「子供を育てる上での知恵」を提供してくれています。ただ、聖書が優れているのは、そのような『良いアイディア』を提供してくれるという点だけではありません。「子育ての知恵」のようなことについて書かれている書物なら世にあり余るほど出版されています。では、聖書の更に優れている点とは、一体どのようなものなのでしょう?  子供がその成長段階で混乱させられるのは、日々の生活の中に『一貫性』や『絶対的な拠り所』を見出せない事です。その原因は私たち「親自身」にあります。私たちが日々忙しく多くのストレスを抱えて生きていると、どうしても「いつも精神的にベストコンディションで子供に接する」ということができなくなります。ある時は寛大に接することができても翌日にはちょっとしたことで叱ってしまったり、自分の都合や気分で『家庭のルール』を破ってしまったり。「子供に最高の教育を受けさせたい」というい理由でせっせと働いて稼いでいるわけですが、その忙しさやストレスが結局、『子供との信頼関係』を壊し、子供たちに「どうせ努力しても無駄だ」と意欲を失わせてしまっているのです。  聖書はそんな私たち(親たち)に、『真に大切なもの』を教え、また与えてくださいます。それは「神との正しい関係から来る『内面的な平和』」です。私たちを大きな愛で愛し、私たちの弱さを知って受け入れた上で知恵と力を与えて導いてくださる『創造主なる神』と共に歩み始める時、私たちは深い心の平安を得、周囲の人々、特に最も大切な隣人である自分の子供たちに対して、穏やかな心で適切に接することができるようになって行くのです。