(437) “人を恐れると罠にかかる。”

相手に嫌われたり呆れられたりするのが怖くて、相手の申し出を断ることができなかったことはありませんか?きっと誰でも1度や2度はそんな経験があるのではないかと思います。 どんな人にも「周囲の人々に好かれたい」という願いはあるはずです。ですからできる限り人々のニーズに応えたいと思うし、頼み事は引き受けたいと思うわけですが、これらの思いが高じると、自分を見失ったり偽ったりしてしまうことがあるのではないでしょうか? 『聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥』ということわざをご存知だと思います。自分の無知を知られるのが恥ずかしいからと、誰かにものを尋ねるのを躊躇するならば、結局ずっと無知のままで終わってしまいます。これと同様に「自分を守ろう」という意図で無理な要求を引き受けたり、本心を偽って相手に同意しているフリをし続けていたら、いつか『自分自身の尊厳性』を見失い、最終的に誰にも見向きもされない人間に成り下がってしまうでしょう。 神は私たちのそのような態度を決してお喜びにはなりません。ある方は、「自分は神を信じているから、できる限り人々に喜ばれることをしたい」と言って、上記のようなワナにはまってしまいました。実際は「人を愛すること」と「人を喜ばせること」は全くの別物です。「他人に嫌われたくないから、相手の喜ぶことをする」という態度は、結局「自分が可愛いから傷付きたくない」という本音の表れなのです。私たちが真に取るべき態度は、「自分を偽って相手に同意すること」でも、「自分を守るつもりで相手に気に入られることをすること」でもなく、「心の真実をご覧になる神を見上げ、自分自身に対して正直になって、喜んでできる事には『YES』、そうでないことには勇気をもって『NO』と言うこと」なのです。